４校時，３年１組では国語の学習をしていました。「くらべてみよう」という２時間扱いの単元で，目的を意識して観点を見付け，それを基にして比較し，表に整理して適切なものを考えるという学習です。「遠足のおやつにするならバナナ，チョコレート，キャラメルのうちどれがいいか？」を考えていました。教科書の表を参考に自己決定をさせました。軽いし，溶けないし，10個もあって長く楽しめるキャラメルを選んだ子が多かったようです。
　
　ある子の「あーっ，キャラメルにすればよかった」というつぶやきにO先生はすかさず反応して言いました。「答えが当たった，ハズレただけじゃなくて，友達の考えを聞いて，そっちの方が良かったなぁと思えるところが，みんなで授業することの良さですね。○○君は真剣に考えていたから，キャラメルにすればよかったと言ったのですね。」その子の真意は違っていたのかもしれませんが，O先生はあえてこのように言って授業では他の考えに耳を傾け受け入れていく柔軟さが大切だと，その子にも周りの子たちにも伝えているのです。
　
　また，O先生は「教科書を持って微音読しましょう。」「先生が読みますので読んでいるところを指でなぞりましょう。」と指示し，それを子どもたちに徹底させます。徹底するのは，スルーすると「しなくてもいいのだ」と考えるようになるからです。そして，しっかりできている子を大げさに褒めて，できている自分の存在を自覚させます。
　
　私たちは「積極的な生徒指導」ということばをよく使います。授業中の積極的な生徒指導とは、授業の中で、児童生徒に自己決定を促し、自己存在感を与え、学び合いなどを通して共感的な人間関係をはぐくむことにより、自己指導能力を育成することです。これができている学級には大きな問題行動が起きないと言われています。３年１組の授業の中には積極的な生徒指導の要素が見て取れました。若い先生方にも身に付けていってほしいものの１つです。