気仙沼市立階上中学校の防災学習
1 活動のテーマ 地域や大学と連携した新たな防災学習の展開
2 活動の目的
防災学習は,どちらかというと体験学習が主になってしまい,「体験して終わり」になりがちである。そこで,平成29年度からは,これまで行ってきた体験活動を必要最低限のものに改め,探究活動を取り入れた。平成29年度は地域住民に「平成28年10月に発生した福島県沖地震とその後に発令された津波警報,避難指示に関するアンケート調査」を,平成30年度は「東日本大震災時の避難行動に関するアンケート調査」を行い,調査結果から何が分かり,今後の防災にどのように結びつけていくのか,地区住民とどのように防災に取り組んでいくのかを提案した。これらの調査活動には,東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授から直接指導をいただいた。今後も直接指導をいただくこととしている。
3 防災学習で生徒に身に付けさせたい力
急激な変化の時代を生きていくための,「思考力」「判断力」「表現力」「コミュニケーション能力」
を身に付けさせるとともに,「自己肯定感」「自己有用感」を高めたいと考える。
4 本校の防災学習の特徴
(1) 地域と連携した防災学習
学区内にある保育所・小学校・高校などの教育施設だけでなく,警察,消防,市役所などの行政
機関,JA,JFなどの民間組織,自治会,婦人防火クラブ,婦人会などの自治組織などの代表で
構成される「階上地区防災教育推進委員会」の協力と連携を図りながら実践している。
(2) 体験学習と探究学習
① 体験学習
1年生 津波のメカニズムについて,専門家から学ぶ
2年生 救急救命講習,応急手当,簡易テントの作成
3年生 小学生への防災啓発活動(防災カルタ,防災ぬりえ,防災紙芝居など)

全学年 気仙沼市総合防災訓練への参加
(地区ごと避難訓練への参加)
全学年 避難所初期設営訓練
② 探究活動
地域住民へのアンケート調査と結果の考察(平成29・30年度)
地域住民からの聞き取り調査とその集約(平成31年度)
(3)活動の発信
① 校内での発表
全学年 防災学習発表会でのポスターセッション

② 校外での発表
代表生徒 気仙沼市総合防災訓練時に各地区で学習成果
の発表
(希望者) 市防災関係行事での発表,
高校の総合学習発表会でのゲスト発表
民間団体の防災行事での発表,
日本自然災害学会での発表,
ユネスコスクールでの発表など
③ 冊子の作成
避難所初期設営マニュアルの作成と配付
④ 広報誌
生徒会「若潮 -共に歩もう未来の防災―」の作成と地区全戸への配布