創立152周年
気仙沼市立大谷小学校
<大谷小3つのいっぱい>
今朝のニュースで、「今年の海水温の高さは異常だ」「魚に季節感がなくなってきている」「夏にしか水揚げされていなかった魚が1年中水揚げされるようになった」という話をしながら肩を落とす漁師さんや仲買人の皆さんの様子が映し出されていました。海の変化が私たちの生活の変化に強く関係していることを実感させられる話題でした。このことは先日開催された海洋サミットでも話題となりました。変化を受け止め、SDGsの考えを重視しながら海と生きること。このことの大切さについては、代表で参加した4年生が1番強く感じたことと思います。
さて、昨日はSDGsへの理解を深め、よりよい未来を創るための学習として、環境教育特別講座を4年生以上の児童を対象に実施しました。講師はキリバス共和国に国籍を持たれるケンタロ・オノさんです。
仙台市出身のケンタロさんは、高校生のときにキリバス共和国の美しさに惹かれ単身留学を決意し、現地の高校を卒業したあとは日本人として史上初となるキリバス国籍を取得されたそうです。現在は日本キリバス協会の代表理事を務められており、環境問題に向き合おうとする人々の心に火を灯す活動をされています。
子どもたちはケンタロさんのお話を「遠く離れた島国の物語」としてなんとなく耳に入れるのではなく、近い将来、同じ島国である日本でも起きるかもしれない身近な問題として捉え、真剣な表情で受け止めていました。会場とした多目的室では、メモを取る鉛筆を走らせる子、前のめりになって資料やお話に夢中になる子の姿が多く見られました。普段あまり意識せずに行っている自分たちの小さな行動が、遠く離れたキリバス共和国の人たちにとっては国土が失われるような死活問題につながりかねない…。講話は驚きの連続でした。
講話の最後には、ケンタロさんが子どもたちに『「愛」の反対は「無関心」だ』という強いメッセージを投げ掛ける場面がありました。子どもたちはこのメッセージをどのように受け止め、これからの行動をどう変えていくことを考えたのでしょうか。ぜひ御家庭でも家族の皆さんと一緒にこの貴重な学びの続きを展開させてほしいと思います。私たち職員もそうします。
3年生の子どもたちが前浜漁港に校外学習に出掛け、ワカメの苗ばさみ体験をしてきました。講師を引き受けてくださった地域の漁師さんからは、苗ばさみの手順を丁寧に説明していただきました。「かわいい~」「ワカメの苗って、こんなに小さいんだ」…と、初めての体験に心を躍らせる子どもたちの元気な声が漁港に響きます。
苗ばさみは2人1組で行います。1人が太いロープの編み目を広げ、もう1人がそこに苗をはさんでいきます。ロープはとてもきつく編まれており、子どもたちの力ではなかなか大きく広げることはできません。軍手をしているためか、苗を持つ方の手も思うように動かず、どのペアもうまく作業を進めることができません。沖からは強い風も吹き付け、3年生の子どもたちにとって、今回の体験は苦労の連続だったようです。しかし、この苦労から見えてきた「深い学び」がたくさんありました。「いったいどのくらいの時間をかけて作業を続けるんだろう」「これだけ多くのワカメを育てる漁師さんってすごいな」「ワカメがおいしく育つ大谷の海を守りたいな」「地域の海のためにぼくたちにできることはどんなことだろう」学校に戻ってきた子どもたちのワークシートは、それぞれが感じたこと考えたことでびっしりと埋まっていました。
3年生がロープにはさんだワカメは大谷の海の恩恵を全身で受け、今日から成長を続けます。これから始まる厳しい冬を乗り越え、いずれは肉厚で風味の強い三陸のワカメへと姿を変えるはずです。お世話になった漁師さんたちへの感謝の思いを持って学校に戻ってきた3年生。これからの探究的な学びの深まりが楽しみです。
海洋教育子どもサミットin東北が開催されました。本校からは4年生が参加し、同じグループになった岩手県洋野町立大野小学校の5年生、同じく洋野町立種市小学校の6年生の皆さんと学習内容の成果を報告をし合ったり、互いの発表を受けて考えたことを基に意見交換をしたりしました。
4年生は大谷小エコプロジェクトの中で取り組んだ「スナガニの生態調査」と「海洋ごみ調査」の結果から分かったことを丁寧に述べ、これから自分たちが取り組んでいくべきことを「海を守ること」「海をつなぐこと」の2つのキーワードを用いて発表しました。参加した17の小学校の代表者はほとんどが6年生でしたが、大谷小の4年生はどこの学校の代表にも負けないような、力強いメッセージを発信することができました。
第1部では大谷小の発表が終わると、ほかの学校からたくさんの質問や感想をいただきました。「アップサイクルについて詳しく教えてください。」「たくさんの生き物がいるのに、なぜスナガニに目を向けることにしたのですか?」といった質問に対して自分の言葉で、相手に分かりやすいように応答する姿に大変感心しました。
第2部では「わたしが届けたい海の物語」をテーマに、代表になった児童が「自分がいま未来に届けたいものは何か」を語り合いました。語り合いを通して、実はいま自分たちも過去から届いた物語の中で海と関わっていることに気付いたようでした。
同じく11月28日、はななす学級に育児休暇から復帰した職員が戻ってきました。「チーム大谷」の一員として、しっかりと子どもたちと向き合っていきます。どうぞよろしくお願いします☆
「浜わらす」の畠山さんの協力をいただき、5・6年生が海浜植物を未来につなぐ活動に取り組みました。講話をいただいたあとは外に出て、5年生は受け取った種が発芽しやすいように外殻を丁寧に削り、生命をつなぐための準備に取りかかりました。その間、6年生は植え付けを行う畑の整備に丁寧に取り組みました。
取組が始まったのは7年ほど前。当時は環境委員会の子供たちだけの取組でしたが、やがて6年生全員での取組に。現在では、「つなぎ手」の一員として5年生も名乗りをあげ、大谷小学校の伝統的で、とても大切な取組となっています。先輩方から受け継いできた活動を始めるにあたり、子供たちの表情も真剣そのものです。
丁寧に外殻を削り取った種は、6年生の子供たちの手でプランターと畑に植えられました。こうして思いをつなぐことで、未来は少しずつ変化していくはずです。ハマヒルガオ、ハマニガナ、ハマエンドウ。多くの海浜植物がよみがえり、より美しくなった大谷海岸が私たちの目の前に広がる、そんな未来が訪れるのかもしれません。
どの子も、どの職員も活動に夢中になり、あっと言う間に給食の時間が…。でも、そこはやはり5・6年生。互いに声を掛け合い、協力してピンチを乗り切ります。
6年生は3人の男の子が最後まで校庭に残ってプランター運びを職員と一緒に行い、先に教室に戻ったメンバーが3人分の給食の準備をしっかり整えました。一方、5年生はいち早く教室に戻った2名がパパッと給食着を身にまとい、配膳室と教室を何度も往復して準備を始めました。もちろんその行動に気付いた子供たちも2人を追いかけるように準備を進めます。こうしてどちらの学級でも大きな遅れもなく給食時間を迎えることができました。これも大谷小の子供たちが先輩たちから受け継いできた姿なのかもしれません…☆
明日は「海洋教育子どもサミットin東北」がオンラインで開催されます。気仙沼市からも多くの小中学校が参加し、自分たちの学校で行っている探究的な学びの中で見えてきたことを発表します。サミットには岩手県の小中学生や山形県の高校生も参加します。東北の地に生きる子供たちが海との共生を目指し何を語るのかと、東京をはじめとする遠方からこのサミットの様子を参観される海洋研究の専門家も多くいるそうです。
本校では全校を代表して4年生の子供たちが発表と意見交換に臨みます。今年度の探究的な学びの中で取り組んだスナガニ調査と海洋ごみ調査の結果から分かったことを柱に、大谷の海を未来へとつなぐことについて、力強く自分たちの意見を発信します。
今日のリハーサルでは画面に映る自分たちの姿まで細やかにチェックし、よりよい発表を目指して全員が一生懸命になりました。応援と激励に駆け付けた職員の話をきちんと受け止める姿は、もうすでに6年生や5年生に負けない「学校の代表」の姿でした。明日のサミットでの活躍がとても楽しみです。
4年生がオンラインで行うサミットの準備を進めているとき、隣の5年生教室では、子供たちが担任と一緒に「メディアとの付き合い方を考える」という社会科の学習をしていました。新聞、テレビ、スマートフォンなどのメディアを扱うときには、それぞれのメディアのよさと問題点の両方を理解し、正しい使い方をすることが大切だということです。こちらでも、豊かに生きるための大切な学習が真剣に展開されていました。
3年生がクラブ活動見学を行いました。本校には家庭科クラブ、ものづくりクラブ、漫画・イラストクラブ、ICTクラブ、球技クラブの5つのクラブを設置しています。どのクラブでも6年生を中心に準備を整え、3年生に自分たちの活動の楽しさや魅力を伝えようと頑張る姿が見られました。
子供たちが楽しみにしているクラブ活動には、主に2つの目標が定められています。1つは「自分の興味・関心を追究するための活動の計画・運営に自主的に取り組むこと」、もう1つは「異学年の児童で協力して活動に取り組むこと」です。どのクラブにおいても、子供たちは普段の授業では関わることがない異学年の友達とも積極的に関わり、互いにスポーツや製作活動を通して楽しく活動しています。
上級生の皆さんが先生方と一緒に生き生きと活動する姿は、来年4月から仲間入りする3年生の目にどのように映ったのでしょうか。
「よし!ぼくは球技クラブと家庭科クラブに入ろう!」
(うーん…、クラブへの所属は1人1つなんだけれど…)
喉元まで出かかったツッコミを飲み込み、わくわくしながら見学する3年生を引率し、見学はあっという間に終了です。見学を終えた3年生が集まる教室は、なんだかいつも以上に賑わっているように感じました☆
大谷幼稚園のばら組さん(年長児学級)をお迎えし、幼稚園・小学校の交流会「あきのおもちゃまつり」を開催しました。元気いっぱいのばら組のみなさんは、「楽しみだね!」「どんな遊びをするのかな?」「私のお姉ちゃん、小学校にいるんだよ!」と、たくさんの言葉を交わしながら、園舎から少し離れた大谷小学校を目指します。
小学校では1年生の子供たちが園児の皆さんの到着を今か今かと首を長くして待っていました。1年生は6つのグループに別れ、けん玉、魚釣り、的当てなどのお店を準備しており、園児の皆さんを楽しませるための準備はもう万端です!
はじめの会では、自分たちが用意したお店の紹介を行いました。原稿を読むだけでなく、園児の皆さんや幼稚園の先生方の反応を確かめながら紹介する姿から、プレゼンテーションの能力の高まりを感じました。
おもちゃまつりが始まると、園児の皆さんは遊びに、1年生の子供たちはお店の運営に夢中になりました。どのお店にもお客さんを楽しませる工夫があったようで、園児の皆さんはもちろん、会場に向かった校長、教頭をはじめ、多くの大人も夢中に、そして笑顔になりました。
交流会の最後は1年生の教室での給食試食会です。新型コロナウイルス感染症の流行前は例年行っていたようですが、その後は実施を見合わせていた活動であり、5年振りの実施となりました。みんなで一緒に食べるハンバーグは、いつもより更においしく感じたことと思います。
今回の交流会には大谷幼稚園から6名の園児の皆さんが参加しました。ちょっぴり小学生気分を味わった子供たちは、それぞれの家庭に戻ってから家族にどのようなことを語ったのでしょうか。本校の1年生にとって、相手の気持ちを大切に考える、とても深い学びとなりました。御協力をいただいた大谷幼稚園の先生方、大変ありがとうございました。
6年生が海浜植物の移植作業を行いました。この活動は震災復興のための工事に伴い生息場所を失いかけていた海浜植物を守るために、大谷小学校の6年生が長年に渡って取り組んできた活動です。子供たちは校庭の片隅で大切に守ってきた海浜植物を一株ずつ掘り起こし、本来の生息場所である大谷海岸の砂浜にその株を移植します。
にわか雨が舞う中での活動となりましたが、子供たちは歴代の先輩方が移植活動を行ってきた砂浜に降り立ち、北海道大学の先生方や浜わらすの皆様の御指導の下で、丁寧に移植活動を行いました。この地で生きることについて深く考えさせられる、大変有意義な活動になりました。
活動の最後は学習発表会で発表した「ハマヒルガオが教えてくれたこと」の最後の場面を、大谷海岸で再現してきたそうです。もちろん最後に歌った「花は咲く」も、美しい海に向かって心を込めて歌いました。
誰かの思いが見える 誰かと結ばれている
誰かの未来が見える 悲しみの向こう側に
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろう
子供たちの歌声と思いを受け止めながら、大谷海岸は今日も美しく輝いています…☆
2年生の子供たちが生活科の学習で今年度2回目の「まちたんけん」に出掛けました。今回の探検の目的地は子供たちが選んだ「はまなす海洋館」です。爽やかな青空の下で出発の時間を迎えた2年生の子供たちは、春先とは少し違った様子の植物や山の木々の色に目を向けながら海洋館へと向かいます。もちろんいつも見守ってもらっているお地蔵さんへの「行ってきます」の挨拶も忘れません。
海洋館に到着すると、そこには息をのむような美しい景色が広がっていました。結婚式場から見える大海原は太陽の光をキラキラと反射させており、子供たちはその美しさにすっかり心を奪われている様子でした。
続いて案内してもらった大広間では、施設の規模や特徴的な客室についての説明を受け、その後はいよいよインタビュータイムです。子供たちは事前に用意していた質問を……と、思っていたのですが、「この中で1番人気のお部屋はどのお部屋なんですか?」「この大広間には大体何人くらい入れるのですか?」「1日にどのくらいのお客さんが利用するんですか?「ぼく…今度家族と来てもいいですか?」と、見学したこと感じたことを基にその場で考えた質問が止まりません。生活科の学習において極めて重要となる「学びに向かう力」がしっかりと育成されていることを感じました。
最後は大海原を背中にして記念撮影☆またひとつ、大谷の魅力を見付けた2年生の子供たちでした。
御協力いただいた海洋館の皆様、大変ありがとうございました。
今日は「ふるさと教室」を開催しました。公民館のPF事業を活用し、大谷地区「いろは会」の皆様に朝早くから御協力をいただきました。子供たちはふるさと大谷で育った「大谷いも」について知り、味わい、大切に考えることを通して、地域の一員として生きようとする思いを強めることができました。
全体会では、実際に自分たちで大谷いもを育ててきた3年生が感想発表を行いました。3年生の子供たちの話によると、大谷いものおいしさのヒミツは「海藻の肥料」と「丁寧な芽かきと土寄せ」にあるとのこと。代表となった児童は育てた経験のある人にしか語ることができない、とても力強いメッセージを述べることができました。
この「ふるさと教室」を迎えるに当たり、いろは会の皆さんには何度も学校に足を運んでいただきました。「十分な数の紙コップはありますか?」「キッチンペーパーの予備は大丈夫ですか?」という問い合わせを何度もいただいたり、「フライドポテト用の調理器具、学校に持って行けることになりました!」と進捗状況の打合せを重ねたりしながら、私たち職員は「学校を支える地域の力」の大きさを痛感したところです。今日の調理にも朝早くから協力していただきました。
昨夜遅くまで家庭科室に明かりを灯し、用務員さんが全ての調理台をきれいに整えてくださったこと。今日の朝、家庭科室の清掃や最終点検のために多くの職員がいつもよりずいぶん早く出勤したこと。家族の皆さんが朝の忙しい時間を使っておにぎりを用意してくださったこと。調理中に不足したキッチンペーパーを買い足しに職員が走ったこと。おいしそうにフライドポテトを頬張る子供たちの様子を目にした地域の皆様が、とてもうれしそうにしていたこと。ふるさとの「おいしさ」はもちろんですが、今日の「おいしさ」のために様々な動きがあったことを、どこか心の片隅に。子供たちの健やかな成長にますます期待をする、そんな1日となりました。たくさんの御協力をいただきありがとうございました。